2019/03/19
政府の規制改革推進会議は2018年11月19日に、
「第40回規制改革推進会議」を開催し、「規制改革推進に関する第4次答申」を公表し、その中でドローンの活用を阻む規制の見直しが記載されています。
航空法に基づく規制
<基本的考え方>
平成 27 年の航空法(昭和 27 年法律第 231 号)改正後、無人ヘリコプターであっても最新型ドローンであっても、航空法上の無人航空機の安全規制は、国土交通省に一元化されている。
しかし、農薬散布のための無人航空機の航行の安全規制に関しては、国土交通省の「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」(平成 27 年 11 月 17 日国土交通省航空局長通知。以下「審査要領」という。)に加えて、「空中散布等を目的とした無人航空機の飛行に関する許可・承認の取扱いについて」(平成 27 年 12 月3日国土交通省航空局長・農林水産省消費・安全局長通知)及び「空中散布における無人航空機利用技術指導指針」(平成 27 年 12 月3日農林水産省消費・安全局長通知。以下「技術指導指針」という。)に基づく制度が存在している。
技術指導指針においては、一般社団法人「農林水産航空協会」(以下「農水協」という。)が航空法上の代行申請を行うことのできる登録認定等機関として唯一認められており、代行申請に加えてオペレーターや機体の認定事業も実施している。技術指導指針は、航空法と農薬取締法(昭和 23 年法律第 82 号)に基づき策定されていると思われるが、具体的な法的根拠は明確ではなく、特に航空法上の義務を課したものではない
<現状>
農業の現場では、農水協によるオペレーターや機体の認定が義務であるとの誤解や、農水協が航空法に基づく許認可権限を有しているとの誤解が存在する。
最新型ドローンの自動操縦機能、カメラ機能等は、ドローンの航法精度を上げ、安全性を確保するのに有効な手段であり、国土交通省も審査要領で安全確保策として認めているにもかかわらず、農水協はこれら機能を備えた最新型ドローンの代行申請は受け付けていない。さらに、ドローン利用の際は、国土交通省に対する報告に代え、技術指導指針に基づく都道府県・地区別協議会への事前の事業計画書と事後の事業報告書の提出が求められており、これが農業従事者への負担となり、農業用ドローンの導入を阻害している。
という状況を踏まえ、実施事項について以下のとおりまとめています。
<実施事項>
a 最新型ドローンについて、現在の技術指導指針を廃止する。
b 農水協が直接行うオペレーター認定、機体認定は、農水協の自主事業であって、これを取得する義務はない旨、農林水産省より地方自治体等関係者への周知を徹底する。
c 従来からの無人ヘリコプターについては、現場の混乱がないよう十分な配慮を行いながら、当面、次の措置を講じる。
- 航空安全に係る事項は、国土交通省の「審査要領」、又は国土交通省と農林水産省の共管による通達により規制する
- 農薬安全に係る事項は、農林水産省が新たなガイドラインを策定する
- 都道府県・地区別協議会等への報告は、必要最小限に限定し、オンライン報告を可能とする
d 国土交通省の審査要領は、自動操縦、手動操縦にかかわらず、一律に 10 時間の飛行経歴要件を課している。しかし、自動操縦の農業用ドローンについては、機種ごとの機能・性能に応じたルート設定などの基本操作や、不具合対処など、必要事項についての講習を受けた実績がある場合には、この飛行経歴要件を不要とする。
e 農林水産省は、審査要領に基づく代行申請制度を通して最新型の農業用ドローン活用が拡大するよう、ディーラー、メーカー等に対し、顧客の代行申請を行うよう促す。これによって、自動操縦機能、カメラ機能等を搭載した機体の申請実績を作る。
噛み砕いて簡単に説明させて頂きます。
以前は、農薬散布ドローンであるDJI製MG-1を購入したい場合、
一般社団法人「農林水産航空協会」(以下「農水協」)が認定したドローンの講習団体の講習を受ける必要があるという事になっていました。
しかしながら、この内容は全く法律の根拠がない事実だったので、
政府がこの内容が間違っているという事を正式に発表しました。
この事により、より優れた農薬散布ドローンが普及しますし、
より安価な農薬散布ドローンを購入する事が可能となります。
昨年までは、25万円の講習を受けた後、200万円のドローンを購入し、1年後にはメンテナンス代として、10万円以上の費用が発生する事になっていました。
また、バッテリーも高価で汎用性が無いものとなっており、中々、農薬散布ドローンが世の中に普及しませんでした。
よって、今後はより安価で使いやすいドローンが普及する事になると思いますので、騙されないようにして下さい。